会社(法人)を廃業することになり、なにから手を付けて良いのか戸惑っていませんか。
会社(法人)を廃業するためには、主に廃業日決定後、解散と清算を行います。
今回は会社の解散と清算の流れを確認していきます。
この記事を読めば廃業手続きの流れをイメージできます。
しっかりスケジューリングして、滞りなく廃業手続きを行っていきましょう。
Contents
会社の解散・清算の流れ
会社を廃業するためには法律で定められた手続きにより解散と清算をしなければなりません。
また株式会社は特定の事由(以下)がなければ解散することができません。
- 定款で定めた存続期間の満了
- 定款で定めた解散の事由の発生
- 株主総会の決議(特別決議)
- 合併(消滅会社となる場合)
- 破産手続開始の決定
- 解散を命ずる裁判
自主的に廃業する場合には、株主総会での決議を選択する必要があります。
- 解散日の決定・通知
- 株主総会の決議
- 解散登記・清算人登記
- 解散の届け出
- 解散公告
- 解散時の決算書類作成・承認
- 解散確定申告
- 債権回収・債務弁済等
- 残余財産の確定・分配
- 精算時の決算書作成・承認
- 清算結了登記
- 清算確定申告
- 清算結了届の提出
大まかなスケジュールを確認し(後述)、解散する日を決定しましょう。その後従業員、顧客などに書面で解散の旨を通知しましょう。
「解散と廃業の違い」の項目で解説していますが、廃業の中間過程に解散がありますので、勘違いしないようにしましょう。
発行済み株式総数の過半数の株主が株主総会に出席し、議決権の3分の2以上の賛成で解散の決議を行います。
また清算人(清算担当者)もここで選任します。
法務局で登記手続きをします。清算人登記も同時に行いましょう。
税務、許認可の管轄官庁に解散届を提出します。
■例
・法人税→税務署
・法人住民税、法人事業税→地方自治体
・各種許認可→許認可を受けている官庁
また解散届には登記事項証明書を添付しなければなりません。
後述する清算過程では、借金も返済しなければなりません。
従って解散の届出提出後には官報や個別で債権者に通知しましょう。
解散時には財産目録及び貸借対照表を作成し、株主総会にて承認を受けなければなりません。
また会社の貸借対照表にて純資産額がマイナスである場合には、債務超過となり自主的な廃業は認められず倒産手続きを行わなくてはなりません。
事業の年度開始日から解散日までの確定申告を行います。年度末に行う確定申告と、同様の手続きを行っていきます。
さらに解散日から廃業日間についても確定申告が必要になります。
解散公告(債権申出の公告)の期間終了後、各債権者に債務を弁済していきます。
会社の資産を弁済に充てる必要も出てくるかもしれません。
会社の財産を整理し確定後、残った財産を株主に分配します。
これにて清算結了となります。
決算報告書を作成し株主総会にて承認を受けます。これより会社は廃業したこととなります。
法務局で清算結了登記を行います。
残余財産が確定した年度の確定申告を行います。
税務署または自治体に清算結了届を提出します。
各手続きには多くの添付書類が必要になります。
1つ1つ書きだして漏れのないようにしましょう。
最短で解散・清算できるスケジュール
様々な手続きにおいて法律等で期限が定められています。その中でも官報による解散公告は2か月以上の期間を設けなければなりません。官報公告後の手続きもあるため、廃業には最短でも3~4か月は要します。
解散と廃業の違い
かんたんにいうと、解散と清算を行うことで廃業となります。
解散は会社の運営や業務を終える作業のことで、廃業は清算を終えてまっさらになった状態を指します。