廃業届を出さないとどうなる?廃業届を出すメリット・デメリットとは

事業所をたたむ際には、様々な手続きを行わなければなりません。
その手続きの中でも、廃業届は提出しなくても問題ないという話を耳にしたことはありませんか。

実は廃業届を出さなくても罰則の対象にはなりません。しかし金銭面等でデメリットもあり、安易に判断してしまうと後悔することになります。

今回は廃業届を出すことのメリットとデメリットを解説します。正しく理解し状況に合った行動をしましょう。

Contents

廃業届は出さなくても罰則はない


廃業届の提出は廃業後1か月以内の期限があります。

期限はあるものの未提出による罰則はありません。同様に開業届の提出も1か月以内の提出期限はあるものの未提出による罰則はありません。

確定申告さえ正しく行っていれば問題はないのです。

しかし廃業届を提出していないと、税務署からは事業活動を現在も行っているとされます。

注意
廃業の無申告がバレてしまった場合や期限内を過ぎてから廃業届を提出した場合にはペナルティが課せられてしまいます。

廃業届を出すメリット・デメリット


廃業届を出すメリットとして無申告によるペナルティの回避を挙げました。

他にもメリットや反対にデメリットもあります。それぞれ解説していきますので、自分の思いや状況と照らし合わせて提出すべきか判断しましょう。

メリット

廃業届を出すメリットは主に以下の2つがあります。

  • 多くの税金を払うことになる
  • 今後の青色申告受理への悪影響を回避できる

多くの税金の支払い

廃業届を出さなかった場合、税務署では事業が継続されている・お金の動きがある扱いになります。すると税務署から納税通知書が届き期限内の納税を求められてしまいます(翌3月には清算されます)。

また廃業したからと確定申告をスルーするとペナルティが課せられます。例えば無申告加算税や重加算税、延滞税などです。

例えば無申告加算税だと税額が50万円以下であれば15%加算されます(50万円超過で20%)。

無収入または会社員へ転職したとしても不必要な金額を払わなければならなくなります。どんな就労状況であってもその年に一定額以上の事業所得が発生したならば、確定申告を必ず行いましょう。

青色申告受理への悪影響を回避

今後再び個人事業主として活動する場合、節税対策として再度青色申告することになるかと思います。

正しく廃業届を提出していれば、虚偽のない信用できる人間であるという保証となります。各種手続き歴に傷があれば、審査は通りにくくなってしまうでしょう。

ポイント
今後雇われ側として一生働いていくのであれば影響はありませんが、やはり自分で事業を行っていきたいとなった場合には障害になってきます。

デメリット

廃業届を出すことによるデメリットもあります。今回は以下の2つについて解説します。

  • 青色申告できない
  • 諸費用を経費として落とせない

これらデメリットが今後どのような支障をきたすのか確認していきましょう。

青色申告できない

青色申告を行なっている場合、廃業届と同時に青色申告の取りやめ届出書を提出しなければなりません。

取りやめ届出書を提出しなかったとしても、翌年以降の所得については青色申告することができなくなってしまいます。

例えば飲食店を廃業し廃業届と青色申告の取りやめ届出書を提出しました。
その後インターネットビジネスで収入を得ていた場合でも確定申告は白色になり、青色申告での恩恵を受けることができなくなってしまいます。

経費として落とせない

個人事業主であったころは、事業活動に関わる費用(交通費や打ち合わせ時の飲食代など)を経費で落とせていました。

しかし廃業届が受理されると事業を行っていないとされますので諸費用を経費として落とすことができません。その結果事業活動に伴って生じた費用を所得から控除できずに多くの税金を払うことになってしまいます。

これらデメリットは雇用される側に転向すれば特に気にする必要はありません。

しかし状況によっては思うようにいかないこともあります。そんな時に今までの経験から自分で小銭を稼ぐことができても、課せられる税金は非常に重いものになってしまうのです。

法人では廃業届を提出しない


結論から申しますと、法人では「廃業届の提出」は必要ないだけでこれに対応した手続きは必要です。

そもそも個人事業と法人では、従業員の人数や出資者の有無に違いがあり、それぞれに対応した手続きを行う必要があります。

ポイント
法人では廃業届の提出ではなく、解散登記や清算の結了を行わなければなりません。
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